学生時代IAESTE(International Association of Exchange
Students for Technical Experience)という交換学生制度で初めて米国に渡り、ニューヨーク州ロチェスターで夏休みを過ごしました。この制度は夏季休暇を利用した工学部の交換学生制度で外国の企業で給料をもらって研修させて戴くという制度です。
私の場合はロチェスターにあるZerox Corporationで研修を行いました。貴婦人と呼ばれた日本航空のDC−8に搭乗して渡米し、初めての外国の地ロスアンゼルスでホストファミリーが空港までキャデラックで出迎えに来てくれてお宅に伺ったのを今でも鮮明に覚えております。ロチェスターではその夏十数名の交換学生が世界各地から研修にきており、週末ごとに地元のロチェスター大学の学生が車であちこち連れて行ってくれました。ロチェスターの近くにはコダック公園、フィンガー・レイクス、ナイアガラの滝等美しいところが沢山あり、とても楽しい思い出となりました。
将来の楽しみの一つとして、ツアーガイドとして日本を紹介し少しでも国際親善のお役に立てばと考えており、そのためにも通訳ガイドの国家資格を取得しておこうというのが受験の動機です。
富士アカデミーの教材はプリント刷りで渡されます。これが良いのです。話題が新鮮でまさに手作りの味です。精読用英文は内容を楽しみながら学ぶことができました。又、単語、熟語、時事単語は毎週決められた範囲をきちっと覚えることが肝心と思います。50才を過ぎますと覚えが悪くなり、すぐ忘れてしまいます。しかし、知念先生の「忘れても良いのです。忘れたらまた覚えれば良いのです。忘れることを気にすることはありません。」という言葉を信じて毎週決められた範囲をきちっと覚えることにしました。毎週授業の最初に行われる先生の単語チェックがすっと答えられるようにしておくことが大切と思います。又、小テストでの和文英訳はネイティブの先生のチェックが入るのでよく復習するようにしましょう。富士アカデミーの教材はよく出来ているので、ここで学んだことだけで十分合格できると思います。
又、4月から始まる2次対策は受けたほうが良いと思います。その日の英字新聞の記事について自分の意見を述べ、ブラウン先生の厳しいチェックを受けたのはかなりの刺激となりました。1次試験の対策としても有効と考えられます。
米国への出張から土曜日に帰ってきたのですが、前の日に知念先生から留守宅に1次合格の電話を戴いておりました。「2次対策は月曜から始まります。毎日やりますから毎日出ても結構です。」というメモがありました。専門のことは話せても時事問題についてなどとても答えられないと考えて、出来るだけ多く出席しようと思いました。
仕事の終わった後、7時から9時までの授業に出るのは本当のところ疲れているし大変です。ところが毎日やってくる仲間がいるのです。1次の発表から2次の面接試験まで3週間程しかなかったのですが、私は結局ほぼ皆勤でした。日曜日の特訓にも参加したので21日間毎日参加したことになります。私と同じようにほぼ皆勤の人はほとんど皆合格しました。毎日参加しても追加料金は不要ですし、皆さんにも毎日参加されることをお薦めいたします。
毎回Mock Examと呼ばれる模擬面接試験をネイティブの先生から受けておくのは力も自信もつくので、本番の試験のとき落ち着いて受けられます。実際の面接試験はほとんどネイティブの試験官が質問します。富士アカデミーでは英国、オーストラリア、カナダ、米国出身の先生がいらっしゃり、毎日参加することにより色々な国の英語に慣れることができました。本番の試験官も色々な国の人がいるための配慮だそうです。9月11日の同時多発テロ事件等時事問題や日本事象等について色々な国のネイティブスピーカーの先生と討議できたのは大変ためになりました。又、一緒に受講している受験生のレベルも高く他の人がどう表現するのか聞いているだけで参考になりました。
常識問題は日本で育った人でないと無理な問題も出題され、外国人には難しい試験です。3次試験の後トイレで出会った外国人がぜんぜん駄目という表情をして悔しそうに英語で歌を歌っていたのが印象的でした。逆に日本で育った人であれば3次試験はそれほど難しくなく、2次試験後に準備しても十分間に合います。日本観光通訳協会発行の「観光日本地理」と「日本文化・外交小史」の教科書を通勤途中の電車の中で三度ほど繰り返し読みました。はっきりしないところは子供の高校時代の地図帳、日本史の教科書を参考書として使いながら読んで確認しておいたことが大変効果があったと思います。あとは富士アカデミーの準備してくれる過去問と重要事項のまとめの資料に目を通しておけばバッチリです。
知念先生がおっしゃっていたように直前の1,2ヶ月は毎日英語の勉強を続けることが大切です。勢いが要るのです。毎日英語に触れておくとその勢いで合格するのです。弾みを失うと失敗します。ほとんどの合格者は合格ラインすれすれで合格しているのです。実力は同じでもちょっとした勢いが合否を分けます。飛行機の話で恐縮ですが、最近のハイテク機の速度計は速度をデジタルで表示する他にトレンドベクトルというのがついています。速度がどの程度上昇傾向か下降傾向かを示すものです。現在の英語力を高めることと英語力を上昇傾向にしておくことが合格の秘訣と考えます。このため一次試験まえの5月,6月の勉強が特に大切になります。
最後に知念先生をはじめ親身になって指導して頂いた富士アカデミーの先生方に感謝いたします。
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