なぜかはわかりませんが小学生の頃から横文字が好きで、眺めてみては、聞いてみてはウットリとしていました。銀幕のショーン・コネリーやオードリー・ヘプバーンは、私の異文化交流を促してくれました。
中学時代はビートルズが私の発音の先生でした。明けても暮れても唄っていました。"Eight Days a Week"
と "Black Bird" は十八番でした。 高校時代は芝居に憧れて、英語劇部で「真夏の夜の夢」。与えられた役はボトム。台本に首っ引きでした。
そんな私でしたが残念ながら、大学は外国学部にも文学部英文科にも入れてもらえず、果てはドイツ文学科で隠れ英文学部生。ゼミの教授に「英語を忘れなさい」とたしなめられました。(この頃の思い出で私にインパクトを与えたのが、某通訳学校の入校試験と英検1級の受験でした。あの悲惨な結果...。ガイド試験の受験も考えていたのですが、そのショックで諦めました...。が消えてくれないのが愛着と未練。その後20年近く、その愛着と未練を引きずります。)
二浪一留の後に卒業。民間の教育機関に就職し、英語の速読教材の制作に携わりました。明けても暮れても英文を読むことができたのは、その後の私の支えになっています。
時は流れて「不惑の四十」一年前。カール・グスタフ・ユングによれば、人は中年期に「達成できなかった自分」を見つめるそうです(人生というプロセスの中で切り捨てた「自分の人生」を振り返ること、と私は解釈していますが)。そう、私は英語が好きで、英語の教材を制作できるというこの上なく幸せな境遇にいながら、同時に愛着と未練を捨てられずにいたのです。あの大学時代のショックが、私を支配しつづけていたのです。こうなってくると殆ど臨床心理学科の世界です。「力足らずだったあの頃の自分と、時を隔てた今の自分に何か違いはあるだろうか?」。これが新たなスタートを切らせました。富士通訳ガイドアカデミーのドアをノックさせたのです。
私は通信生でした。そんな私が心がけたのは「教材が届いたらすぐに解答にすぐに取り掛かる」ということです。「明日しよう」「今度の休みにやろう」というのは、駄目だと経験的に知っていたからです。例えばNHKのラジオ講座。録音すると安心してしまうものです。そしてテープが山とたまって、たまると嫌になって、ハイそれまで〜よ。
富士アカデミー(以下、アカデミー)の教材はバリエーションが豊富で解説も丁寧です。時間が必要です。だから「即座に」取り掛かりました。(余談ですが、アカデミーの解答・解説は読み物としても面白かった。)
「試験に合格したい」というモチベーションがあったから即座に取り掛かったわけですが、理由は他にもありました。それは知念先生の声と指導です。親しみのある知念先生のマイルドな声と目から鱗の指導は、ある種のクスリです。とても常習性があり、今週受講後3日目ぐらいから禁断症状があらわれ、「はやく、次週の講義をくれ〜」となるのです。
- 以下にもいくつか「アカデミーの教材・指導の魅力」を記しましたが、いずれに関しても私は「予習・解答の後、内容を確認する」というスタンスを取りました。毎週の小テスト:取り上げられる題材は精選されています。これは間違いありません。なぜって?ここで扱われた題材は、その後もいろいろな形で(英字)新聞に取り上げられていましたし、今でも取り上げられています。それだけ重要度が高いトピックを扱った題材なのです。
- 精読用英文:何を感動したかって、"ECONOMIST" の英文の読み方を教えてくれるということですよ。一流紙の英文の読み方を教えてくれる講座なんて、まずありません。
- 毎月の模試:問題の読み応えは最高。また、採点も丁寧です。この採点に報いるために一生懸命解答したような気がします。
- 単語集:私には「三大レキシコン」があります。『試験に出る英単語』『タイム、ニューズ・ウィークに出る単語5500』そして『通訳ガイド試験・必ず出る!! 必須単語・熟語集』です。『必須単語・熟語集』は2002年に改訂され強力になっています。
※ 英字新聞:何か一紙を継続して読むことをお勧めします。私はデイリー・ヨミウリを読んでいました。1〜3面を「国際関係の重要事項+国内の重要事項」と位置づけて、毎日、目を通すように心がけていました。
1次試験対策の段階では通信生でしたが、2次対策に関しては、4月から東京⇔長野を毎週土曜日往復しました。確かに地元の会話学校でも「英語を話す訓練」にはなったでしょう。ですが、「何事もその道の人に訊くのが一番だ」と思っていた私は、2次試験のことを熟知している人の指導を受けようと考え、雪どけとともに矢も楯もたまらず、申し込みをしました。
各種試験には「パターン」が見え隠れします。そのパターンを知れば、試験会場では落ち着くことができます。また二次試験は、筆記試験のように「筆記を一時中断して考える」なんていうアプローチはできません。瞬発力が求められます。瞬時にしかも適切に試験官に対応できなければ、動揺することを余儀なくされます。面接試験におけるパターンの熟知は、筆記試験以上に効果を発揮するのではないでしょうか。
面接に際しては、ダフィー先生の言葉が耳に鳴り響いていました。「試験会場では、受験生としてではなくツアーガイドとして発言すること。あなたはツアーガイドなんだ!」。この言葉にとても励まされました。
アカデミーが日を空けずに「3次対策」のテキストを配布してくれました。このテキストの学習をメインに据え、数学研究社の白地図(中学生向け)と社会科地図(小学生向け)、高校時代に使っていた歴史教科書(山川出版)と日本史の参考書(数学研究社)を準備しました。
歴史に関しては、簡単なものではありましたが年表を作成することで知識の整理ができたことと思います。一般常識に関しては、付け焼刃ではなんともなりません。「新聞を毎日読みつづけてきたではないか。」と自分を励ましました。
通訳ガイド試験は内容が高度なだけでなく、忍耐力も試されます。実際、4月の受験申し込みから12月下旬の発表までおよそ9ヶ月。3ヶ月前に受験を思い立ったとしても1年がかりの試験です。超人ならいざ知らず、普通の人にはペースメーカーとなる人たちが必要だと思います。孤独・不安・歓喜を分かち合える人が側にいることは、重要な意味を持つ出発点だと思います。少なくとも私の場合はそうでした。知念先生やアカデミースタッフの皆さんのように、一緒にゴールまで走りつづけてくれる人がいるのは、ありがたいことです。
- 取り上げられる題材とその解説が最高!:ひとつ上の英語を考える人には最適です。
- 質問への丁寧な回答:通信教育にありがちな「お一人様、××回まで質問できます」といったものがありません。質問可能の回数を気にせず、どんな質問にもきちんと答えてもらえるのが嬉しかった。
- 受講料:他校と比べてみてください。魅力的な価格設定になっているはずです。
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