
神戸市外大英米学科にて英米詩を専攻していました。在学中、バンクーバーに短期間、その後イギリスに1年半留学し、その間にケンブリッジ特級等を取りました。卒業後は東京で技術系企業に勤め、現在に至ります。一応外資なので英語を使うには使うのですが、レポートやマニュアルの訳やプレゼンの翻訳ぐらいなのでほとんど能力を活かす事ができずもんもんとしています。
ガイド試験のことは全く知らず、2002年10月にふと何かで見かけて、やってみてもいいかも程度の軽い気持ちで受験を決めて11月からの1次+2次対策コース(どちらも週一回)に登録しました。

「単語を増やして、試験の傾向と解答のコツを掴めばなんとかなるさ」と考え週一回コースに登録しましたが、いざ蓋を開けると、翻訳にも単語にもある程度あった自信は揺らぎ、「あれ?あれ?」の連続で模試ではリストにあと一歩及ばずというレベルを繰り返していました。ただ、週一回というのは働きながら勉強するにはちょうどよいペースで、学校のスケジュールに縛られすぎずに自分の勉強ができたので、結果的には私にちょうどよかったです。
改めて振り返ってみても、これといった攻略法があったとは思えません。1次までの数ヶ月、私が心してやっていたことといえば・・・
(1) オリジナルの単語集を作ること:
PCの前でランダムハウスを広げることが出来る時間は全て、水色の単語集の全単語を調べ、自分で作ったエクセルの単語ファイルに『(1)単語・(2)意味・(3)文例(和文)・(4)(3)の英文』をインプットすることに使いました。あとはどこに行くのにもそのファイルをアウトプットしたものを持ち歩き、暇さえあればその文例の英訳・和訳をするなどの『独り単語テスト』をしていました。これでかなり単語を自分のものにできたと思います。
(2) 日本語の新聞を読むこと:
クラスでは英字新聞を読んでいらっしゃる方が殆どだったのですが、私は日本語の新聞を重視し (英字新聞は重要なニュースの拾い読み程度)、朝日・毎日・読売・産経をほぼ欠かさず読みました。物事の全体像を掴むのにはこれが一番私にあった方法でした。気になる記事は破っておき、あとから英字新聞やネットで調べました。自分の考えをまとめた上での作業なので、単語も物事の流れも頭に取り入れ易かったです。これは1次だけではなく、特に2次の対策として役に立つことになりました。
(3) 授業はサボらない:
私は1年間殆ど欠席しませんでした。ぬるい環境にすぐに慣れてしまう自分の性格が判っているので、出来上がった『予習→学校→復習→単語勉強』というリズムを崩してしまえばそれでもうおしまいだったからです。休まずに通うことが勉強のペースを掴む基本になりました。
(4) 人の言うことは気にしない:
授業の前後などに、他の方達が他校の授業や模試の結果、試験レベルの予想等をお話ししているのが自然と耳に入ります。情報収集は確かに大切かもしれませんが、結局他人は他人自分は自分。ここに書いておきながらおかしいですが、他人の体験談や勉強方法等は小耳に挟む程度でよいような気がするのです。要は、試験に受かる為に自分の能力をどれ位の期間でどの程度までリフトアップしていかなければならないかを、いかに早く把握するかなのではないかと思います。

私は1次受講開始と同時に2次コースも受けていましたが、こちらも「英会話学校に通う」ように気軽に登録し、本腰を入れ始めたのは1次合格の判明後ようやく・・・でした。「ここで落ちたら振り出しに戻る、だよ。また1年アレを繰り返したいの?」と何かにつけ自分に言っていたら、必死でやらなきゃ、という気持ちが出てきました。
ほとんど全てのクラスをWilly Duffy先生に教えていただき、彼の授業を受けられた方はお判りのようにいつもとても元気で面白く、コミュニケーション能力とは何かを学びました。私は10ヶ月間"Be
dynamic! Be energetic!"と言われ続け、最後には"Every word with
emphasis!"とまで言われましたが、飽きずに付き合って頂いたお陰で2次を通過できました。Willy先生の言う通りに元気にハキハキ答えたら受かっちゃった、って感じでした。
あとはやはり新聞です。どんなトピックでも基礎知識がないと頭が真っ白になってしまいます。そして新聞で目にした情報と自分の経験とを即座にリンクさせられる訓練が有効だと思います。
面接当日は女性は綺麗な服をきていくのも「手」です。黒や紺系が多いだろうと踏んで、私はライラック色のツーピースを着ていきましたが、まだ席につく前に"Nice
colour."と言われて、ちょっと嬉しくなりその後の会話も世間話のようにスムーズに進みました。せっかくですから、女性の特権を利用し常識の範囲内のおしゃれをして、「ニコニコハキハキ感じよく!」が第一歩なのかもしれません。

2次本番では私だけ質問数がとても多く真面目なトピックというより世間話並みの内容だったため、落ちたかな〜と思い、2次終了直後は3次の勉強をやる気が起きませんでした。
でも万が一受かっていたら困るので、まずはやっつけ易そうな地理に取り掛かりました。
白地図をA3に何枚も拡大し、「遺跡版」「天気版」「名所版」等を自分で作りました。ひたすらそれを数日眺めて覚えて地理はヨシとし(そうするしかなかった)、政治関係は普段の新聞を読んでの知識に頼ることに決め、合格判明後は全て歴史につぎ込みました。それが本当にキツかったです。
過去問をいくらやっても半分も出来ず、仕事が終わってから毎日夜中まで泣きながら繰り返し教科書と過去問を行ったり来たりし、年表を作り年号を丸暗記し・・・。1次2次よりもこの勉強がつらかったです。攻略方法なんてとてもここには書けません。試験の日程に追われつつ必死で覚えるのみでした。

私が個人的に役立ったと思うことは以下の3点です。
(1)『単語・単語・単語!』
単語さえ知っていれば、どんな英訳和訳問題も怖くないと思います。この試験を受けようと思う人は文法などは今更やらなくてよいレベルのはずですから、あと差がつくのは単語力なのではないでしょうか。とにかく色んな文章を読んで、単語を増やしていくしかないと思います。
(2)『引き出しを増やす!』
私にとっては、新聞を読んで色々な分野の基礎知識をうっすらとでも頭にいれておくことが1次〜3次まで通して大変役に立ちました。授業開始後、私は自分の単語力の弱さもさることながら、物事を知らないことに愕然としました。時間を見つけては新聞を読みネットで調べてやっと少しマシになったような気がしますが、まだまだこれから勉強しなければと思っています。
(3)『マイペース!』
人によってひたすら頑張り続けられる人もいれば、息抜きあってこそ頑張れる人もいると思います。私は、自分らしく生活するのを妨げてまでこの試験に縛られる気は全くなく、完全に後者のタイプでした。ただ一つ自分に制限したことは、読書でした。試験が終わるまでは本を買わない・読まない! 月に本代が一番かかる活字中毒の私にはとても淋しい日々でしたが、ある種勉強す
る励みにもなりました。平日の夜+土曜の日が出ている間は勉強集中、土曜夜〜日祝は何が何でも勉強しないで遊びにでかける、と決めていました。私にとってはこれくらいの気の抜けた頑張り?が一番ぴったりだったようです。
なにはともあれ、ご自分のペースを早く掴み、試験まで自分なりのフロ−を作って勉強していくと、結果がどうであれ自分に納得がいくのではないでしょうか。

他の学校を知らないので比較はできないのですが、私にとっては、規模が小さいと余計なことがあまり耳に入らなくてよい、という点がよかったと思います。先生に質問があればすぐにでき、疑問点を解決することができました。
レセプションの方のきめ細かい対応も大変助かりました。
また、1次合否発表後の2次対策では人数がぐっと減り、かなりintensiveなレッスンになる場合もありました。クラスのメンバーも固定するので、一緒に食事をしたり、おしゃべりをするのが毎日とても楽しく刺激になりました。励まし合い、慰め合い、分からないトピックについて教えあいつつ、それぞれが自分にベストの方法で勉強する、という環境が理想的でした。一つの目標に一緒に向かっていくことができる人達と知り合えたことが、私にとっては一番の収穫です。
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