
私は元々英語が好きで、大学では英文科に所属しておりました。いったん就職してからさらに語学力を高めたいと考え、イギリスへ留学しました。イギリス滞在は1年以内でしたが、検定試験を目指して勉強しました。帰国後再就職しましたが、期待していたほどには仕事で英語を使わないため、更なるレベルアップを図るため、ガイド試験合格という目標を設定することにしました。
海外滞在中に旅行したスコットランドで、自国に誇りを持って案内をしてくれたガイドさんとの出会いに感動して漠然とその人のようになりたいと思ったこと、そして逆に、日本のことについて聞かれてもうまく説明できない自分を恥ずかしく思ったことが、英語のみならず日本についても勉強でき、さらにはガイドとして就業できることになるこの資格に興味を持った理由です。
人とのコミュニケーションが大好きであるということからもこの資格は本当に魅力的でした。

私はフルタイムで働いており、残業も結構あったので、余分な勉強ができませんでした。ですからほとんど毎週の授業の予習と復習をするのが精一杯でした。勉強時間も平日なかなかできなかったので、土日などに集中していました。
私は週1回のコースでしたが、毎週の授業のための勉強の手順は次のようなものでした。
*復習
(1) 精読用英文の自分の訳と先生の訳を比べ、手直しする。
(2)小テストの英文の中の知らなかった単語をチェックし、ノートに書き出して辞書で調べ、例文を作る。
(3) 小テストの問題を回答に沿って見直す。
*予習
(1) その授業でチェックされる単熟語集の範囲を一語ずつチェックし、知らないものについては丸をつける。
(2) 丸をつけた単語はノートに書き出して、辞書で調べた上で例文を作る。こうすると何かしら記憶に残るものです。
(3) 紙などで一部を隠しながら単語の意味を暗記、また単語自体を暗記する。
(4) 精読用英文を一通り読み、知らない単語をチェック、ノートに書き出して辞書で調べ、例文を作る。
(5) 一文ずつ英文を訳す。文法を考えながら自然な日本語になるように努力する。
*授業中
精読用英文の時間には、先生の訳を聞きながら自分の訳と比べて直していく。また、わからない単語には必ず蛍光ペンで印をつける。
*模擬試験
今までの精読用英文と小テストを見直し、また、時事単語集と2次試験対策テキストの試験範囲を集中的に暗記しました。また、単語コンテストに備えて、模試直前に今までの復習もかねてその範囲の知らなかった単語を暗記しなおしました。
このような一つ一つの積み重ねが合格するきっかけとなったと思います。
それ以外でやったことは、BBCのニュースを見たり、英字新聞(JAPAN TIMES, HERALD TRIBUNE)をたまに読んだことくらいです。(といっても本当にたまにです。)

人前で意見を言う(しかも英語で!)事に慣れていなかった私は、一次対策が始まると同時に、2次対策の体験授業に出席し、そこでダフィー先生に出会いました。とにかく少しでも多く英語を人前で話すことが大事、と考えた私は、迷わず週1回の2次対策授業に申し込みました。
授業では、まず一人ずつ、その日の課題についての意見、もしくは時事についての自分の考えなどを発表しました。そのため、毎回の授業の予習は欠かさず、また、時事についての知識も深めるため英字新聞や朝日新聞を読みました。ほかの人に意見や話を聞くことも知識が深まりとても役に立ちました。
次に特筆すべきことは、本番の面接試験のように、一人一人が順番に先生と向かい合って離れたところに座り、質問に答えるという練習です。これは周囲で他の人も見ていて、とても緊張したのですが、それが度胸をつけるよい訓練となりました。また、他の人が答えているところを見ることで、どのようにジェスチャーしたらよいか、どんなことを答えたらいいか、など勉強できたので大変参考になりました。もちろん、先生が毎回、個人の弱点をキーワードにして教えてくれるので、次回それを念頭においてその弱点を直すよう努力しました。
本番直前では、今までに言われたキーワードを見直し、自分のパフォーマンスの集大成を図りました。本番では先生に言われたとおり、試験官との会話を楽しむことに徹しました。緊張はしましたが、笑顔は絶やさないように努めました。
というわけで、2次対策ではとにかく早い時期から意見を英語で言うことに慣れておくこと、そして答える際自分が相手に与える印象にも気を配ってひたすら訓練する、ということが大事だと思います。ですから、2次試験までの1ヶ月の特訓は、毎日遅刻してでも出席して、1日1回はその練習をするということをお勧めします。
また、家で自分でしたことで役に立ったことは、毎日30分以上英文を音読するということです。これをすることにより、口が英語に慣れて、いざ話すときに自然に英語が出てきます。普段仕事で英語をあまり話すことのない私にとってこれは大変役立ちました。私の場合は、2次対策のテキストを音読しました。さらに、新聞を日本語と英語の両方で読むこと、海外のニュースを見ることもよい勉強になりました。後は自分自身のパフォーマンスを磨くこと。家で鏡を見て研究したり、家族の方の前で演じてみるのもいいかもしれません。

2次試験が終わって1ヶ月後には3次試験がありましたので、2次試験の結果を待たずに3次の勉強を始めました。が、初めての3次試験の勉強でしたので、とりあえず学校からいただいたテキストを使い、地理から始めました。以下は各分野ごとの勉強方法です。
(1) 地理
私が3分野の中で最初に始めたのが地理でした。まず、テキストにまとめてある過去に出た山や川の名前を実際の地図で探し、白地図にその場所と名前を書き込みました。また、それらの名前を広辞苑で調べてどうしてそれが出題されたのかを考えながら、特徴を書き出しました。
さらに、国立公園と国定公園は必ず出題される、と聞いてましたので、上記と同じようにして覚え、また、漢字で書けるように練習しました。
また、他の受講生の方から、全国の観光旅行のパンフレットを集め、観光地の紹介を切り抜いてスクラップブックを作ると景勝地や公園について理解しやすいと聞いたのでそれを試したところ、楽しくてはまってしまい、時間を食ってしまいましたが、とても貴重なノートとなりました。
後は、観光地理の小冊子を一通り読んでおきました。
(2) 歴史
地理に時間をとられてしまったため、歴史を勉強するには時間があまりなかったので、まず、日本史の小冊子を一通り読み、その後高校生御用達の山川出版の日本史一問一答を買って読み始めました。が、どう考えても試験までに現代までたどり着くことはできないと思ったので、それを諦め、昔から持っていた「漫画で読む日本の歴史」という漫画を読むことに決めました。学生のころも漫画で読んだ日本史はとても印象に残っていて、流れもつかみやすかったのでこれは大変よい勉強となりました。ただ、自分の手元に残っていたのは、縄文時代から戦国時代までの漫画で、その後から現代までの漫画がなかったので、試験一週間前一大決心をして本屋へいき、それらの漫画12冊を購入して前日までに何とか読み上げました。詳細は覚えていませんが、これは私にとってはかなり役に立ちました。本当はもっと時間があれば高校の教科書を読んだり、一問一答の問題集をすべて読んだりしたかったのですが・・・。
(3) 時事問題
これに関しては、2次対策の間、かなり話し合ったり新聞を読んだりニュースを見たりしたこ
とが勉強になりました。試験直前に多少新聞は読みましたが、それ以外には特に何もしませんで
した。実際、今回の試験では、半年前のヨーロッパの細かい情勢などが出たので、その頃のニュ
ースを見ていたことがとても役に立ちました。
以上のように駆け足で3次試験勉強をしました。もう少し時間があったらなあという思いは残りましたが、とにかく最終試験が終ったときは本当に気が抜けました。
また、授業に関しては、山中先生の講義の中で聞いたポイントが本当に試験に出たりして非常に有意義でした。先生は過去の問題をやることも強調されていて、実際試験では過去に出た問題が形を変えて出たりしているので、それも非常に重要だと思いました。

私は今回1次試験を受験するのが3回目でした。1度目は初めての受験ということもあり、勉強不足で歯が立たないという感じでしたので、もちろん再受験をしました。2度目は少し慣れていたし模試の結果も悪くなかったので、少しは自信があったのですが、本番は予想外に難しく結局不合格となってしまいました。さすがに3度目は費用のこともあり、自信もなくしていたので躊躇したのですが、ここで勉強をやめてしまったら今までの苦労が水の泡になってしまうと考え、また、「3度目の正直」という言葉を思い出し、最後1回だけ頑張ってみよう、と決心しました。
そのおかげで今回は1次試験も手ごたえがあり、2次、3次と初めての受験にもかかわらず何とか合格することができました。今ではあの時諦めなくて本当によかったなあと思っています。
ですから、これから試験が近づくにつれて、長期間の勉強に疲れてしまったり、1回の模試の結果が期待したほどよくなかったり、ということがあるかもしれませんが、そこで諦めずに自分を信じて勉強を続けてほしいと思います。もちろん気分転換は必要で、私もずっと試験勉強だけをしていたわけではなく、たまには旅行したり映画を見たりと息抜きをしました。
とにかく諦めないこと、そして努力と知識の積み重ね、それこそがこの試験の合格の秘訣ではないかと思います。これは決して楽なことではありませんが、その苦しみを乗り越えて得た合格の達成感は本当に素晴らしいものです。みなさんも自分を信じてどうか頑張ってください!

今までのまとめになりますが、下記のようになります。
- 1次対策の授業内容が多彩。
- 1次対策の模試が本番と同じくらい難しい。
- 2次対策の費用が安い。
- 2次対策の授業内容が充実している。
- 3次対策のテキストがまとまっていて使いやすい。
- 3次対策の講義は聞く価値あり。
- 何よりもアットホームな雰囲気で勉強しやすい
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