私は大学生の頃に通訳ガイドという仕事を知って以来ずっとこの職業に憧れていて、毎年この試験を受けては、一次試験で落ち続けていました。4年間このようなことを繰り返していたのですが、4回目に不合格を知った時、いつの間にかいい加減になっていた勉強の仕方と自分の中途半端なやる気に嫌気がさし、このままだらだらと勉強を続けていても時間とお金がもったいないだけだと思い、次のガイド試験で不合格だったら通訳ガイドになるのは諦めて、一生ガイド試験は受けない!と一大決心をしました。ちょうど2003年の秋頃のことです。実はそれまでは他の学校に通っていたのですが、心機一転、新しい気持ちで一から始めたいと思いこの富士アカデミーに入学させていただきました。
( 英語 )
富士アカデミーに入学する前にも一応ガイド試験の勉強をしていたこともあり、ある程度単語力はあると思い込んでいたのですが、水色の単語帳を見てみると知らない単語ばかりでしたのでとにかく徹底的に単語の暗記をしました。知念先生が単語カードを活用する事を勧められていたので、それを信じて大量の単語カードを作りいつも持ち歩くようにしていました。毎回の授業で単語テストがあったのでそれをペースメーカーにしつつ、初めて覚えてから時間が経っているものを時々見直して完全に覚えられるようにしました。読解については精読用のプリントと毎回の小テストを中心に取り組みました。精読用プリントを全訳することにより、英文とじっくり向き合って少しでも自然な日本語に英文を訳す練習になりましたし、また小テストを受けることにより、決まった時間内に知らない単語を予想しながら英文を正しく訳すことに慣れることができたと思います。あと、これは以前に合格された方が勧められていたことを真似したのですが、毎日なるべく新聞の社説を英語で読みその後に日本語のものを読んで確認するようにしました。インターネットで簡単にプリントアウトできるので、英字新聞を毎日購入するのに比べ、とても経済的かつ手軽で無理なく続けられました。
( 社会科 )
地理と歴史については、とにかく暗記あるのみでした。突然今回の試験から制度が変わったため当初はとても焦りましたが、知念先生が「暗記さえすれば確実に点数が取れるので、こつこつと取り組めば合格しやすくなるでしょう」とおっしゃっていたので、地理は白地図と国立公園・国定公園を中心に暗記し、歴史は山川出版社の「詳説日本史」を中心に取り組みました。これもまた、以前に合格された方が勧められていたことですが(真似ばかりですみません)、地理は山や川、温泉や名産品など名前だけを覚えてもすぐに忘れてしまうので、旅行代理店においてあるパンフレットをたくさんもらってきて、それを眺めながら名前と実物が一致するようにしました。そして、今度旅行に行くならどこにしよう…などと考えながらなるべく楽しみながら覚えました。
歴史は昔から嫌いではなかったもののとても苦手だったので、これを機に徹底的に学ぶことにしました。小学生の頃に読んでいた集英社の「日本の歴史」の漫画を読んでなんとなく流れをつかみ、それから教科書を読んで細かい事柄を把握しました。少しでも複雑になるとすぐに分からなくなったので、教科書と同じ山川出版社が出している参考書を併せて読んだり、資料集を眺めたりするとともに、友人から薦められて見はじめたNHKの「その時歴史が動いた」も好んで見ていました。
一次試験対策と平行して三ヶ月間オプションの二次対策の授業を受けていたものの、「もしかしたら受けるかもしれない二次試験」に対する勉強と「受けることが確実になった、日にちも時間も決まっている二次試験」に対する勉強は、自分の意気込みや真剣度合いが大きく異なることに気付き、三週間の集中セミナー開始早々とても慌てました。まず私の場合は英会話の問題以前に、物事をじっくり考えて自分の意見を持つ、ということをしなければなりませんでした。というのは、お恥ずかしい話ですが、今まで日本の政治や教育、また日本社会の問題点などの事柄についてきちんと考えた事がなく、しっかりとした自分の意見を持っていなかったのです。ですから、まず何事に対しても「考えるくせ」をつけるためにセミナー中は新聞を毎日必ずきちんと読んで、主な記事について自分なりの考えや感想を持つようにしました。また、実際の試験では質問に対してすぐに答えなければならないので、なるべく短時間で何かしらの考えや意見を持てるように心がけました。とは言っても、三週間は本当にあっという間で、どうにか自分の意見が持てるようになっても、それを英語で表現するのにまた一苦労でした。とにかく自分で話さないことにはどうにもならないので、私はほとんど毎日午前と午後のクラスに参加するようにしました。先生によってそれぞれ授業に特色があり、ネイティブの方に自然に聞こえる英語の話し方や、話の論理の組み立て方、また、質問が上手く聞き取れなかった時の訊き返し方など、本当に実践的かつ普通の英会話学校では得られないようなことをたくさん学ばせていただきました。
富士アカデミーでは色んなパターンで質問をしてくれる先生(Tony Pain)に恵まれ、とんちんかんに聞き間違いをしている事がしばしばでした。Clarificationの訓練は、良い勉強になったと思います。
「一生のうちでがむしゃらに勉強する時期が何年かあってもいいと思います。」これは知念先生がおっしゃっていたことですが、私は勉強がいやになったときいつもこの言葉を思い出すようにしました。私は合格するまでに5年間かかったのでえらそうな事は何もいえませんが、がむしゃらに頑張ったことは絶対に無駄にはなりませんし、自信にもつながると思います。是非、がむしゃらになってみてください。
知念先生が本当に生徒のことを一番に考えてくださっているのがひしひしと感じられる学校の雰囲気、そして盛りだくさんのタイムリーな教材、また、何と言っても知念先生のお人柄…!など、富士アカデミーをおすすめする理由を言い出すときりがありません。
私の場合、一次試験対策の授業のなかにディクテーションが含まれていたこと、またそれとは別にヒアリング用のテープをいただけたことで、自然と二次対策を意識した勉強ができたことがとても有り難かったです。ヒアリング力は短期間でつくものではないので、こういった先を見据えたやり方にとても助けられました。また、知念先生には本当にいつも元気をいただいていました。二次試験の準備が思うように進まず悩んでいた時にお話を聞いていただこうと事務所に立ち寄った際、先生がお忙しくお話ができなかったことがありました。その際、わざわざ後から、その時私が授業を受けていた教室まで先生が来てくださって、何か悩んでいる事があったら学校に電話してくれていいですよ、と声をかけていただき、当時配布されていた英語のプリントに先生が書かれていた「(二次対策中に)落ち込まない人はいないと思います」という部分にマーカーを引いて渡してくださいました。その時の嬉しさといったら!うまく言葉では表せません。
押し付けがましようですが、私の場合最後の方は「富士アカデミーのために!先生に喜んでいただくために!(もちろん自分のためにも!)合格したい!」、しかも一緒に学んだ皆さんと一緒に合格したい!と強く思うようになりました。このような、愛校的な(?)気持ちになれたのも、またたくさんの魅力的な方々に出会えたのも富士アカデミーだからこそだと思います。
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