私は子供の頃、人々の旅行に同行し通訳をする、という仕事があるのを知って、「楽しそうだな。通訳(当時は通訳ガイドという名前は知りませんでした。)になりたいなあ」と思っていました。
中学・高校では英語は好きな科目で一生懸命勉強し、大学時代も英会話学校に通うなど、英語の勉強は続けました。
まずは英検1級を取ってからガイド試験に挑戦しようと思っていたのですが、ふとしたことから英語とは全く関係のない仕事を始め、それも楽しかった為、10年以上、すっかり英語から遠ざかってしまいました。その後、主人の赴任に伴い、イタリアのローマで3年余りを過ごし、滞在中に旅行した各地で、たくさんの方の親切や人情に触れて、通訳ガイドへの夢が再びよみがえってきました。帰国後まず、中断していた英語をブラッシュアップする為、英検1級受験の勉強を始め、合格後すぐに富士通訳ガイドアカデミーの門をたたきました。以前、英検の勉強中に一度だけ説明会に出席したことがあり、その時にとてもアットホームな雰囲気を感じ、又、知念先生や事務の方にお会いして「ここなら親身にバックアップしていただけそうだ。通うならここ。」と決めていたからです。
( 英語 )
単熟語に関しては、英検受験の時苦労した分、その時に覚えたものと重なる部分が多く、それ程困難ではありませんでした。しかし、教材の単熟語集の中にはガイド試験ならではのものもあり、それはきっちり覚えるようにしました。
私が苦労したのは何と言っても時事単語と日本的事象です。入学前に「ものは試し」と受けた本試験では、時事単語では書けてせいぜい1〜2個、戸籍について説明しなさいという問題等は全くのお手上げでしたので、これを何とかしなければと思っていました。時事単語集だけでも大変な量なのに、先生から追加のプリントを何枚もいただき、気が遠くなりそうでしたが、見るとどれも必要な語句に思え、とにかく頑張って覚えました。
全く予想外のものが出たのなら仕方ありませんが、せっかく先生から頂いたものから出たのにやらなかったから出来なかった、ではなんとも悔しいし、不甲斐無いと思ったので、模擬テストに出題されたものも含め、必死で覚えました。
その甲斐があり、本番では8〜9問くらい正解できたと思います。精読用英文と小テストも大変勉強になりました。
これらの教材のすばらしい点は、今話題になっている内容の英文がタイムリーに、しかも多岐に渡って出題されている事だと思います。独学ではなかなかここまで読み取れませんし、テーマも偏ったものになってしまいがちですが、これらの英文にたくさん接したおかげで苦手な経済関連の語彙や知識も増すことが出来ました。
模擬試験も私にとって大変有効でした。模擬試験ではそこそこの点を取り、景品を頂いたりしたこともありましたが、「なんで?」と言う様な読み間違えや意味の取り違えをしてしまうこともよくありました。入学後すぐの本試験でも、後から読めば「何でこんな読み間違えをしたんだろう」という汎ミスが3つもあり、慎重に読まなければと常々思っていたのに時々ポロっとやってしまうのです。その理由が試験前、最後の模試を受けた後にわかりました。私はいつも試験では時事単語を最初にやり、次に2つの英作文、最後に英文和訳をやっていました。しかし、この順番だと私の場合、そのつもりはなくても時間が気になって気が焦り、英文の読み方が雑になってしまったのだと気付いたのです。それで、本番では時事単語、英文和訳、英作文の順に取り組みました。おかげで今回は前回のような読み間違いをせずに済み、何とか合格にこぎつけることが出来ました。この様に模擬試験は自分の弱点に気付く良いチャンスですし、自分に合った問題の解き方(順番)を考える為にも大いに活用するとよいと思います。
( 社会科 )
3月に富士アカデミーを卒業してから7月初めまで忙しく、また前年までは2次試験合格後の1ヶ月で3次対策をした等と聞いていたので、7・8月頑張れば何とかなるだろうと思っていたのですが、これが大間違いで、いざ勉強を始めてみると自分の知識のなさに愕然としました。
じたばたしても仕方がないので、とにかく学校から配られたものだけはしっかりやろうと決め、まず地理に取り掛かりました。国立公園を白地図で場所を確認しながら1つ1つ単語カードに書き移し、裏に特色を箇条書きにして、「特色から国立公園の名前」「国立公園の名前から特色」のどちらにも言える様にしました。国立公園を覚えたら国定公園も同じように覚えました。次に主な川とか山、峠等も出来るだけ覚えるようにしました。とにかく教材をフル活用したという感じです。本試験では国立公園や国定公園の名前をずばり問うような問題は出ませんでしたが、これらの場所と特色を覚えていたおかげで類推できた問題がたくさんあり一生懸命覚えた甲斐があったと思いました。日本史も地理とほぼ同時進行で勉強しました。日本史は受験の科目でもなかったので、高校の定期試験の前に一夜漬けした程度で、過去問もほとんど出来ないありさまでしたが、まず教材の日本史これだけは、というところを覚え(この時も単語カードを活用しました。)同時に流れをつかむ為に中学の日本史の参考書を読み、単元ごとの問題を解いて記憶を定着させました。(私のように日本史を0から、という方には中学の参考書を併用することをお勧め致します。ちなみに私が使ったのは、スタディベア中学歴史というものです。)その後、子供が高校時代に使った参考書兼問題集を山川と照らし合わせながら解いていきました。スタートの遅さがたたって、山川の教科書をじっくり読む時間はありませんでしたが、やはり実際の問題は、山川をしっかり読んでいれば出来たはず、というものがいくつもあったように思います。
一般常識はやはり3次テキストと先生の配って下さったプリントを覚えました。
一通り勉強したところで過去問を解き直し、知識の足りない所やうろ覚えのところを強化しました。模擬テストも繰り返し復習しました。降水量の問題等、この復習のおかげで大分整理が出来たと思います。
早くから2次対策は始めた方が良い、という合格体験談記を読み、私も入学早々から2次対策コースを同時に受け始めました。
「日本を語る」が教材でしたので、日本事象に関する知識も少しずつですが増やすことが出来、慣れるという意味でも大変良かったと思います。1次に合格した後の集中セミナーは毎日、何回でも出られるという恵まれた環境を用意していただき、模擬面接もその都度経験できて、とても内容の濃いものでした。
複数の先生のレッスンを受けられたことも良かったですし、また国家資格の面接試験であることをふまえたアドバイス(例えば、「深刻なテーマの時でも暗い話で終わらせず、状況は良くなってきている。とか、改善しようと皆で努力している等のコメントを必ず付け加えるように」など)は特に本番で私を助けてくれました。
また、2次対策の後ろの方にガイドに必要な語句、というのがあり、最初はこれを全部覚えようと思ったのですが、本番では覚えたことを聞かれるとは限らないと思い直し、まず題を見て自分なりに何とか説明するという練習をしました。そして次にテキストの説明文を見て答えを作り出すという作業を繰り返しました。これはぶっつけ本番的な度胸もつき何とか自分なりに言ってみるという練習にもなり良かったと思います。
先輩方の2次レポートは面接の流れを知る上でもまた実際の受け答えの参考としても大変ためになりました。
新人ガイド研修に参加して、ガイド試験のために勉強したことは、実際ガイドとして活動する際に必須の大切なことだったのだと分かりました。試験勉強は、覚えることがたくさんあり大変ですが、それが生かされる日が必ず来ると思いますので、頑張って下さい。私もこれからさらに頑張ろうと思います。
富士アカデミーの魅力はなんといっても知念先生の穏やかでユーモアあふれるお人柄と、その一方で、私たちを何とか合格させようと傾けて下さる情熱です。その情熱で作って下さるプリント教材は常に最新の話題で、テーマも多岐に渡っており、独学ではとてもここまで読みきれないと思います。
また1次合格後はほとんど毎日、午前・午後・夜と何度でも出席できる2次集中セミナーがあり、富士アカデミーのバックアップ体制は本当にすごいと思いました。2次セミナーでも1次同様、ガイド試験であることを踏まえた的確なアドバイスを各先生方からいただき、本番での底力になったと思います。事務室の方達も、いつ伺っても親切で親身に対応して下さり、事務室を出る時には「よし、頑張ろう」という気持ちになったものです。ありがとうございました。
また、アットホームな雰囲気の中で和気あいあいと勉強し、情報交換したクラスメイトとの交流は今も続いており、富士アカデミーで得たもう1つの大切な財産となりました。
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