10年程前、ガイド試験とはどんなものかと、それに向けた勉強を少ししたことがあります。しかし、新しい仕事が始まったばかりの時でとても忙しく、時間を割いて勉強することなどできず、この少しばかりの勉強は仕事のストレスを解消する役割を果してくれただけで終わってしまいました。一昨年、その年のガイド試験の富士通訳ガイドアカデミーによる解答例を見る機会がたまたまありました。和訳問題の解答例をよく読んでみて不思議に自分に合うものを感じ、こんな学校で勉強してみたいとふと思ったのです。昨年の春、大阪でこの学校の日曜集中コースが5月に開講されることを知り、この機会を逃しては真剣に勉強する機会はもう来ないと思い、受講申し込みをしました。
■英語
単語・熟語テストが毎日あり、単語を覚えるのが嫌いな私は、少々困りましたが、弱点を克服するチャンスと思い、自分なりに頑張りました。(このコースは、人数は少なかったのですが非常によく勉強される方が多く、私も大変刺激を受けました。年輩の私がなり振り構わず勉強する気になれたのもここのクラスメートのお陰です。)
精読用英文の内容は、非常に興味深いものでした。ノートに単語・熟語・重要構文など重要と思われることを書き、文の和訳も全部書きました。訳を書くと日本語として不自然であったり、不正確であったりする部分がよくわかりますので表現をいろいろ工夫することができます。予習のこの作業はとても充実していて楽しいものでした。更に授業中にそれを補ったり訂正したりしました。知念先生の教え方はオーソドックスで、きめ細かく、レベルも高かったと思います。
毎回小テストがありました。後、解答をしていただけるのですが、その中の英作文は、提出しますと添削して次の回に返却していただけますのでよかったと思います。後でいただいた英作文演習のプリントは、全部は読めませんでしたが、この程度まで意訳できるということがわかり、それが本番の英作問題を解くのに大いに役立ち感謝しています。
公開模試も2回ありました。実際の試験より問題量が多かったようで、時間内に解答を終えるのが大変でしたが、一生懸命取り組みました。このお陰で実際の試験では、2時間集中して、焦らず問題を解くことができたと思っています。 このコースでは、英語を様々な面から、ていねいにしかも厳しく指導していただき、英語の教育とはこうあるべきだという一つの方向を示していただいたように思っております。
■社会科
社会科も毎回テストがあり、公開模試も2回ありました。私は社会科の勉強を始めるのが遅く、しかも家の用で時間が取れないこともあり、テストが済んでからテスト範囲を読むという有様でした。8月に入ってから社会科テキストの前半にさっと目を通し、地図を見ながら国立公園、固定公園、降雨量や気温について少していねいに勉強しました。お盆が済んでから約2週間、雑用は断って山川出版社の教科書「詳説日本史」を最初から読み始め、ノートにまとめていきましたが、「明治維新」まで到達したところで時間切れとなり、あとのすべては常識でということになりました。日本史の勉強をしているうちにだんだん興味がわいてきて、来年の受験までにこんな本を読んだらおもしろいのではないか、といろいろな歴史の本や小説のことを考えたりしました。
2次試験直前対策授業は3回あり、毎回午前10時から午後5時すぎまでBrown先生にしっかり指導していただきました。2次テキストにある質問に対し、解答例を真似るのではなく、自分の考えをまとめて要領よく答えることが求められました。1日に2〜3回、1人ずつ一番前の席に座り模擬面接をしていただきましたが、答の内容はもとより、対話のし方、顔の表情などについてもていねいに指導していただきました。他の人が面接を受けているのを後で見ていることもよい勉強になりました。相手の表情をよく見ずに自分の知っていることを全部しゃべるのではなく、相手の聞こうとしていることに合せて正確に、要点をおさえて答えることが大切だと改めて思いました。計7回受けたこの模擬面接は、非常によく役に立ち、本番でよきしないことを聞かれた時、落ち着いて対話をしながら何とか答えることができました。 2次試験のためには、この2次テキストにある質問だけでなく、日本の文化や習慣、時事問題等あらゆるトピックを書き出して、それに対する知識を身につけておくことが大切だと思いました。英語でこのトピックに対する質問と答が準備できれば最もよいと思いますが、時間のない時は、日本語でもよいので、準備しておかれることをお勧めします。
努力の積み重ねが最も大切ですが、自分の現在の力を客観的に把握し、苦手な部分の克服に努めることも必要だと思います。自分に合う勉強法を見つけるようにしていただきたいと思います。 様々な事情で一時勉強を中断しなければならない時もあると思いますが、あきらめず、時期が来たら勉強をすぐ再開できるよう、少しずつでも力を蓄えておくことが大切だと思います。
- 授業内容がよく考えられており、質的にも高い。
- 暖かい雰囲気があり、一人一人に注意が払われているのを感じられる学校である。(知念先生のお人柄から生まれるものであろう。)
- 熱心な受講生が多く、アットホームな雰囲気で、切磋琢磨できる。
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