私は英語が専門ではありませんでしたが、若い頃から英語が好きでアメリカに短期留学したり、英会話学校に通ったりしていました。しかし、結婚して子育てに追われ10数年まったく英語の勉強をしていませんでした。息子が高校入学した年に英語を基礎からやり直そうと大学の聴講生として英文学のREADINGや英会話など科目を受講し若い人に交じって学ぶ楽しさは感じることが出来ました。しかし、何か物足りなさを感じ達成感のあるものにチャレンジしたいと思い始めました。それで、英検1級を目標に自分をブラシュアップしてみようと決めました。近くの英語学校に通い英検の勉強はしていたものの、受けては不合格の繰り返し、しばらく苦しい時期が続きました。そのような折にカナダ留学中の息子の友達やホストファミリーが来日して鎌倉を案内することになり、通訳ガイドの面白さを感じることが出来ました。今まで知らなかった日本の文化や歴史も学ぶことができ自分の幅を広げることが出来ないかと思い方向転換し通訳ガイドを目指すことにしました。NHKのラジオ講座のビジネス英語のテキストの広告で富士通訳アカデミーを知り説明会に行きました。そのときに通訳ガイドの勉強とともに英検1級レベルの勉強も学べ、そして代表である知念先生の授業も受けられると知り入学を決めました。2003年4月に入学したもののガイド試験はその年も、2004年もだめでした。自分の実力のなさを実感し2005年は父の介護も重なり、 ガイド試験の勉強を一時中断しました。しかし いままでやってきたことは決して無駄にはなっておらず その年、英検1級には合格することができました。それを機にもう一度諦めかけていた通訳ガイドの試験に再度チャレンジすることに決め今年合格することができました。
■一次試験英語攻略法
精読英文は国際情勢にかかわるアップデートなニュースなどが題材で私にはまったくわからない内容でした。それで必ず自分なりの日本語訳をノートに書き、授業で先生の訳を聞いて自分の解釈の正誤を確認できとても勉強になりました。そうすることによって1年間英文とじっくり向き合って、より適切な日本語に訳していく精読のしかたを学んでいくことができました。
毎回の小テストは決められた時間内に英文を読んでいく訓練になりました。知らない単語があっても前後の内容から判断して訳していく練習につながりました。またそのときわからなかった単語は後で必ず意味を確認するよう心がけました。これが今振り返ってみると語彙を増やしていたのだと思います。私にとって苦しかったけれど、とても勉強になりました。また範囲の決まった英単語熟語、時事単語を覚えることによってガイド試験に必要な語彙力を増やしていくことができました。
毎月の模擬試験は実際のテストよりはるかに難しく制限時間に終えるのがやっとでした。しかし、1年も経ってくると少しずつ自分なりに手ごたえを感じることが出来るようになりました。また、その後にある1ヶ月間の単語・熟語・時事単語を覚える試験があり8割以上キープしようと思い頑張ったことも語彙力を増やす上で大変役に立ったのでしょう。横浜から通っていたので車中ではジャパンタイムスを読みできるだけ英語漬けになるよう心がけました。富士で覚えた英単語英熟語のおかげで いまでは辞書を使わなくても大体記事の内容を理解できるようになりました。
■一次試験社会科攻略法
社会科に関しては、とにかく学校で配られたテキストだけはしっかりやろうと決めました。地理は白地図に日本の平野、山脈、河川の名前そして国定公園、国立公園の名前、特徴を記入して覚えていくことにしました。しかし、膨大な量でただ丸暗記では飽きてしまうので、友達の薦めてくれた「旅に出たくなる地図」を購入して実際の観光地の写真や絵を見て自分でその場所に旅したつもりでなるべく楽しく学べるようにしました。
歴史は山川の日本史の教科書を読み事件・人物などをノートに書き出し覚えていきました。しかしこれも覚えるばかりでなかなか先に進まず、なんとか興味の持てる勉強方法はないか考えまし た。テレビ番組の「そのとき歴史は動いた」を見たり、神社・仏閣・仏像などの写真の多い「ビジュアルワイド図説日本史」を購入してそれを眺めたりすることによって興味が持続できるように自分を意識づけました。時間はかかりましたが、絵や写真はビジュアルとして残るもので今年の試験に写真入りの「阿弥陀如来像」や「釈迦三尊像」や「狩野芳崖の悲母観音」などがでたときすぐに思い出すことができました。
一般常識はなるべく新聞を読むように心がけさまざまなニュースや記事など意識して触れるようにしました。また、息子の就職活動で使う一般常識の本も参考にしました。
入学してから2次対策コースも同時に受け始めました。日本の文化、習慣、経済に関する知識はほとんどなかったのですこしずつでも知識を増やしていこうと思い、テキストの大切な箇所を覚えていくようにしました。でも、実際の授業ではただ丸暗記ではうまく喋れず 恥ずかしい思いを何度もしました。そこで 難しいことを覚えていくのではなく自分の言葉で簡潔にまとめて自分なりの意見をいえるように心がけました。そして、その意見をノートにまとめて書いておき、何度も何度も読み返して覚えるようにしました。特に、1次試験が終わってからは合格していることを信じてテキストの日本文化、日本事情のまとめをひたすら暗記するためにカードを作り、愛犬の散歩のときや出かけるときにはいつも持って諳んじていました。また、英検1級の2次試験対策で色々な時事問題を取り上げ、いろいろなテーマに対して自分なりの意見をまとめて練習していたので、それがとても役立ちました。
私は通訳ガイドに合格するのに4年かかり偉そうに皆さんにアドバイスなど出来ませんが、2つだけ自分の経験を伝えたいと思います。一つは決してあきらめないことです。不合格が続くと「私はもう合格できないのではないか」と落ち込むことが多々ありました。しかしここであきらめたら今までの苦労が無駄になると思いあきらめませんでした。知念先生の「忘れたらまた覚えたらよいのです」の言葉に何回励まされたことでしょう。「点は必ず線になる」と信じて継続して勉強していくことだと思います。努力すれば必ず結果が出ます。
二つ目は英検の1級の勉強を一緒にしていくことが自分のレベルアップにつながったと思います。山中先生の授業もあわせて受講し、通訳ガイドの勉強とは違った内容でしたが良い勉強になりました。今年から1級合格者の英語免除の受験も可能となり受験の幅も広がりました。勉強内容が違うように見えても重なりあうところがたくさんあり是非同時進行での英検1級の勉強もお薦めします。
富士アカデミーの良いところは知念先生の人柄とアットホームな雰囲気です。知念先生の精読英文の訳し方はすばらしいと思います。日本語での表現や言い回しはとても勉強になりました。またクラスの雰囲気も和やかで質問もしやすく、同級生の輪も広がり お互い切磋琢磨できる人間関係ができます。4年たった今も電話やメールで近況を知らせ合いいろいろな情報交換をしています。すばらしい授業を受けることが出来、たくさんのことも学べたし、合格するまで面倒をみてくれる本当に良心的な学校だと思います。
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